最近、相続の登記の依頼に付随して住所変更登記の依頼も受けました。
所有権登記名義人の住所変更登記は登記自体はそんなに難しい登記ではありません。登録免許税の算定方法も物件の数×1,000円ですし、そもそも単独申請に当たるため、売買による所有権移転登記のように権利者・義務者といった利害が対立する構造ではなく、住所を移転したという事実を登記するだけなので、書類さえ整えばご本人様自身でも登記がしやすいものであると思います。
しかしあなどってはいけません。ただ一点注意しなければならないのは唯一の書面である登記原因証明情報です。登記原因証明情報は住所が変更した事実、日付、場所などを開示するための書面になります。
通常は住民票がそれに該当するわけですが、一階ではなく、何回も住所移転がされていて、その住所変更登記をまとめてする場合には注意が必要になります。登記簿上の住所とのつながりがない場合には戸籍の附票等を別途添付する必要があるからです。
例えば、A(登記簿上の住所)⇒B⇒C(現在の住所)と住所移転をした場合、住民票にはB⇒Cへの住所移転の記録は反映されていますが、それだけでは不十分です。A⇒Bへの住所移転の記録も証明できないと登記はできません。
戸籍関係は本籍地の役所で取得する必要があるので、近くにお住まいの役所に行っても取得できな場合があります。その場合は郵送などでその本籍地の役所から取り寄せるわけです。
この登記簿上の住所とつながりをもたせる作業が一番のネックですし、ご本人様で申請される場合にも注意が必要となります。
明日以降にPart2と称して、最近自分が当惑させられた住所変更登記のハプニングについてお話しいたします(苦笑)。