先週の話しですが、町田支部のセミナーに参加しました。神奈川県会の司法書士稲村先生が講師で、「ADRと司法書士」がテーマでした。

 

ADRとは「裁判外紛争解決」と言われている比較的新しい制度です。日本では裁判所が調停を行いますが、裁判所の調停というのは世界的には珍しい制度で、ADRが主流となっている国は多いとのことでした。司法書士にも簡裁代理権の範囲内という例外はありますが、裁判調停は弁護士と裁判所が主導で利用者には不満の声が多かったりするとのことでした。

 

セミナーの中で稲村先生は「オレンジの話し(紛争?)」というお話しをされていました。

 

AとB2人の人がこのオレンジは俺のものだと争っていました。どちらもお互いの主張をひこうとはしません。ADRの手法というのは、AとB2人の主張を良く聞いて問題の解決方法を探ります。 Aは「マーマレイドを作るのに、このオレンジの皮が必要です。」Bは「ジュースを作るのに、このオレンジの実が必要です。」結論「それならば皮と実をそれぞれ分けましょう。」・・・このように、2人の真意や目的をコミュニケーションをとることで聞き出し、お互いにとってwinwinの解決方法を探ることがADRの手法です。当たり前のことのようですが、なるほどと思いました。

 

今までの日本の裁判判決や裁判調停ならば、「このオレンジはBのものであることを認める」といったように、0か100かに近い形での解決でしかなかったと思います。コミュニケーションをとるというよりは、間に入って経験則や法律的に総合的に判断してこうしろと裁判所が決めてしまう。 お互いの納得するというより半ば強制的に決定してしまうという印象でしょうか。

 

まだまだ問題もあれば未成熟の分野ではありますが十分可能性のある制度だという印象を受けました。

 

相続登記の相談に来る方で相続人間でもめていて協議ができない、どうすれば良いかという話しを良く聞きます。裁判所の調停を勧めることは多かったのですが、このADRという手法がもっと成熟して確立されてくれば裁判所の調停を使わずに問題を解決することができるのではないでしょうか。

 

現在、多くの人が耳にしている債務整理の関係もそうだと思います。貸金業者の中には形だけでも裁判を起こすところがあります。無駄に費用や時間を使うよりはこのADRを利用することで問題解決をはかれるのではないでしょうか。

 

現在、債務整理過払い金返還請求は過渡期を迎えようとしています。今までに暴利をむさぼってきた貸金業者が過払い金返還などで苦境に立たされています。無い袖は振れないという考えで過払い金が返せなくなり、泣き寝入りをしなきゃならなくなる可能性もあります。無駄な裁判などで時間稼ぎされたりそんな状況になるよりもADRのような手法でお互いにとってメリットのある問題解決がはかれれば良いのではないかと感じました。

 

とは言ってもまだまだ難しい部分もありますし、目下は債務整理過払い金返還請求も今の判決や和解というやり方で、困っている方の力になれればと思いますが。

 

そんなことで、非常に興味を持てた分野になりましたし、勉強にもなったセミナーでした。

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